中国製自転車製造における孤軍奮闘記録−111−車輪製造の難しさ

私、ある会社にいるとき、車輪製造は外注そして、一社の外注先ではありません。
スポークニップル自動締め上げ機(分からないかな?)は、私のようにもう年でヨタヨタ。スクラップ寸前と言うより、スクラップ品と言った方が正解。
当然リムの振れは縦振れ、横振れ発生。そして、それを人間の手で振れを修正していくわけですが、機械、人間とも基本ができていませんから
まともな完成品になるはずがありません。リムの振れをはかると振れは基準内に入っているわけですが。
皆さん水の入った重いバケツを左右の手で持って立ってみてください。
左右均等の重さであれば、ある時間、身体は真っ直ぐに立っていられますが、
左右のバケツの重さが違う、あるいは極端に違う場合、初期的には体は真っ直ぐに立っていられますが、時間と同時に体は傾いてくるはずです。
これが車輪です。

つまり販売時にはリムの振れがなくても、消費者、乗っているうちに、リムが短期間のうちに振れてしまうことは、この左右のバランスがとれて
いないということです。
こうした目に見えない粗悪品がある有名量販店に出荷されていたのです。これはもう品質管理できる状態ではなく、
工場責任者、会社責任者の問題であり、私にこうした問題の改善責任まで負わさせた日本の老舗メーカーもありました。
しかしこうした経験も後の指導に役立ったことは良い経験と思っています。