中国自転車製造における孤軍奮闘記録−101−品質の自浄能力がない!?

こちら中国のある会社は、問題発生に対して、改善対策思考回路がないのでは?と思うのです。
仮に有っても、問題発生に対して、自動的に改善対策の回路につながらないと考えています。
ですから、同じ問題が繰り返されると考えています。
問題発見者の私が改善対策の回路につなげなければならないのです、改善対策の回路すらないのではと思う事もあります。
と言うのも私、常に『お前はよく問題を発見するが、その改善対策案がない!』と言われてきました。
私は常に問題発見と同時に改善対策案を添えて社内連絡して来ましたが、こう指摘する人も実際にその道のプロではない人たちです。
ですから私の発したメールの意味すら理解できていないと考えています。
私の独りよがりと言われるかもしれませんが、問題発生の写真を見て、それをいちいち解説しなければならないということは、
問題が認識できていない証拠で、まずはこの人たちを教育しなければなりませんが、これは立場上不可能なことが多いのです。
またそんなことに時間をかける気は全く有りません。
つまり日本側も、そして中国側も問題発生に対して、問題の内容、問題の性質、問題の重要性をいちいち紐解いてやらねばならないことは、
自分にとって苦痛だったのです。
そして更に中国側の改善対策回路に自分でつなげなければ、回路は作用しません、
ほっておけばいつまでたっても回路にはつながりません。

つまり改善されません。
回路自体を作ることは別に難しいことではないのですが、回路を理解し、回路で働く、働ける人材がいないのです。
極端に少ないのです。

そして問題改善にはお金のかかることも多く、私には資金面そして権力がありません。中国においてはこれは決定的なこととなります。
ですから問題は収束に向かわずに、また必ず再発することになるのです。
つまり中国での教育指導は困難極めるのです。それこそ幼児の口までご飯を運ばなければなりません。
運ぶならまだしも、ご飯を一度噛んでから口に運んでやらないと意味が分からない、意味を理解させられないことが非常に多いと感じます。
またこの改善対策回路とはマニュアルでは有りません。
習慣、経験(ノウハウ)の回路です。物づくりマニュアルがあれば何でも出来る、は大間違えです。
マニュアルを理解できなければ安定した商品はできません。
この習慣、経験の分野の回路まで、問題発見者の私の仕事の分野であれば、もう改善など不可能に近いことになります。
手取り足取り、赤子に教育するようにしなけらばなりません。
こうした問題が根底にあるために、一部の優良企業を除いては、品質は一向に上がらないことになります。
実際に皆さんもそれを感じているのでは。
回路とは習慣経験からくる、会社が本来品質維持のために持つべき回路、持っていなければならない回路のことで、
これをいちいち教育しなければならない現実がここにあります。
改善対策回路とは、自転車製造会社に基本的に備わっているべき血液(品質)の自浄能力と考えます。
常に人の力を借りないと、自社の血液(品質)をきれいにできないことを意味します。
こうした自浄作用問題、日本の会社にも存在すと考えています。
現在の日本の自転車社『自会転車に疎い』人が多くなっているのでは?!あなたの会社にも。
これに日中双方の問題!?