中国製自転車製造における孤軍奮闘記録−79−不良品判断基準『私がルールブックだ!』

不良品判断基準問題、自転車においてはこれだ!と言う基準はないと思っています。もちろん基本はあります。
日本側においては判断基準がないとは言え、ある一定の基準は、どういうわけかある『範囲内』に収まるのです。
昔の野球で『私がルールブックだ』と言った審判を思い出します。まさしくその通りなのでは?!
自転車の不良判断基準とは、どこのメーカーでもあると思います、あるはずです。
しかしあらゆる問題に対して、それを網羅するような判断基準を設けることは不可能です。
ある程度の経験を有した人なら、自分で検査基準、判断基準を持ってるはずです、この基準とは、クレームからくる身体で覚えた基準と考えます。
ですから日本側の検査基準と、中国側検査基準が時としてかなりずれることがあります。
トルク管理と違って、数値では表わすことが難しいのです。不可能ではないでしょうが、不可能に近いと考えています。
これら品質基準問題を数値で表そうとする人がいますが、これらは独りよがりの基準で、比較対照できるものがないのです。
これらが確立されたのであれば有効でしょうが、品質が良くなった、悪くなったとは、比較できるものがあってでの話です。
基準がないものを、基準が曖昧なものを基準とすること自体、私はおかしな話と考えます。
基準が動いてしまっては、そこに人間の曖昧さが加わりますから、でてくるデータは信用できないことになります。
しかし、品質が数字ででてくると、それがあたかも適正な数字と周囲をごまかすことができるのです。余りにも周囲は数字に弱すぎます。
特に『傷』関係問題、検査基準を厳しくすれば、発生率は上がります。緩めれば下がります。物事皆数字で表わしたしのですが、
表わせない、表わしにくいものまで数字を使うことは時間の無駄と考えますが。やりたい人はどうぞ。
判断基準はどこの日本の自転車メーカーも同じレベルと考えますが、大して違いはないと考えますが、独自の基本で品質要求してきます。
ここで困る問題も発生します。自転車製造技術を無視したかのような品質要求です。こと細かく説明して、理解を求めるしかありません。
予断ですが、私はあるとき傷問題に対して、『傷検査ゲージ』なるものを手渡されて、これで管理検査しろと言われたことが有りますが、
笑ってしまいましたね。現場を知らないのにも程が有ります。
よっては私は中国駐在時に『ボールを投げ返しました』。
日本側もこの『傷検査ゲージ』を使って受け入れ検査をしていると思いますが、その検査結果を教えてくださいと。
もちろん返事はありませんでした。要するに日中双方で了解が、理解が極端に分かれるのです、いくら良い方法?でも理解がえられなければ、
方法に問題があるということになります。
『自転車』は特殊ですね!ですから誰にでも造れますが、誰にでも造れないのです。