中国製造自転車における孤軍奮闘記録-21-現地駐在員に求められるもの

中国現地駐在員に求められるものは、『問題発見能力』これだけです。
それも工場側、誰にでも発見できる問題を発見することは、当たり前で、工場側に見えない部分の問題を発見し、問題提起することです。
もちろん問題提起だけではだめで、改善対策案を自分で持っていなければ失格です
『今までに問題発生がない工場』は往々にして『問題発見能力がない工場』であることも多いのです。
問題発見能力がなければ、納入先からの問題提起がなければ、問題がない、と判断されがちですが、
問題が有っても必ずクレームになるとは限らず、問題発見能力がない、あるいは乏しければ、必ず更に問題が変化しても、気づかず、
大きな問題に発展することになります。
また問題発見能力のない工場は、問題発生に対して、必ず『問題ない』と返事をしてきますが、問題提起に対して、
問題のないという品質根拠の提示がないことも多く、これが長い間、不良品を製造していく原因になっていると、考えています。
言い過ぎかもしれませんが、漠然と商品を生産しているだけの場合も多いのでは。
私の経験から、日本側でクレームになると考えていても、不思議とクレームにならないことも、多いのです。
これは納入先の品質に対する考え方に大きな違いもあり、往々にしてクレームとして上がってこない為に、製造側、
品質に変な自信を持ってしまうことになります。
私の経験から、クレームとして工場側に上がる比率は、よほどのことがない限り、非常に低いのではと感じます。
つまり、いちいちクレームの情報を、製造側に連絡することは厄介なことで、そして其の人員もいない?ために、
ある意味、改善を放棄しているのでは?
もしそうだとすると、日本側の品質責任は重大なこととなります。
よく聞く言葉に、日本側『色々と問題が発生しているのに、其の都度工場側には費用は請求していないのに!』と
恩着せがましいことを言いますが、
こんな言葉は、こちら中国側工場には、通用しないことは明白です。
つまり品質問題に対しては、日常より厳格な態度をとることが重要なのです。
私の長年の経験から、事の重要性を工場側に伝えても、緊迫感を持って捉えてくれることは少なく、ましてや面倒でも、
クレームを、其の都度連絡しないことには、更に工場側、品質に自信を深めることになります。
日本式の優しさはこちらには伝わりません。
優しさの表現方法を変える事が双方の利益になるはずです。
駐在員にとっては、見えない部分を見えるように、自分を鍛えることです。
そして問題発生を予見して問題発生を未然に防がないことには、
気が付いたら、日本側、問題発生していることになるはずです。
今問題発生していない問題を、工場側に問題提起することは、
やはり時間をかけて、自分自身の存在を常々アピールしていかないことには、工場側、行動を起こしてくれないでしょう。