中国製造自転車における孤軍奮闘記録-19-自転車は生もの

自転車は生ものと常々感じています。なぜかと言うと生臭い造り方をするからです。
つまり私の言う職人技が必要になるからです。毎日現場にいて、生臭い匂いがするのです。
これ私、職人の肌で感じる匂いなのです。皆さんには匂わないはずです。
なぜ生臭いかって?製造工程が完全には安定しないからです。
私、人の命を乗せる自転車であるからこそ、安定した工程で、皆様に自転車を供給したいのですが、100%にはならないのです。
では何%かって?何%でしょう。買った人にとっては其の一台が100%ということは確かなことです。
どうしてもこのことから、自転車の品質を確保する必要があるという事です。
生ものですから、調理器具に雑菌が付着していれば、当然早く腐る事になります。
自転車も当然、年月が経てば腐りますが、買ってすぐに腐れば、当然クレームになります。
つまり製造工程上、調理器具には神経を使わなければなりません。ここが問題なのです。
皆さんには当然自転車製造の工程は、ご存知ないはずです。ですから知らない人にはいつも、
このようにして品質を説明しています。
調理器具つまり、工程が十分管理されている工程かということになり、これが管理されていないと、
早く腐ることになります。簡単にいうと,人の管理、設備の管理ということになります。
人の入れ替わりが非常に早い中国での自転車製造企業においては、この中に含まれる品質要素を
常に見極めて、品質確保にあたらねばならにのです。また見極めても思ったようにならないのが実情です。
思ったようにするには、常に生産ラインは停めなければなりませんが、出荷は停めなければなりませんが。
問題が起きたら生産ラインは停めろ!と言われますが、製造工場として製造ラインを停めるという事は、
皆さんが感じるほど容易なことではないのです。
皆さん分かりますか???これ以上は書きませんよ。でも私の記録を読んでもらえば、どんな環境で
奮闘しているか見えてきますよ!中国も見えてきますよ!日本の自転車も見えてきますよ!
つまり品質確保は、見えないものを見えるように、自分を鍛えていかないと、中国では使いものにならないことになるのです。
何でこんな問題が!発生するの?は、何でこんな問題が発見できないの!と自分を責めるべきです。
私は中国でこの仕事を長いこと続けていて、問題発生に対して、刑事責任を問われたら懲役何百年にもなるでしょう。
また刑事責任を負う気は全くありませんが、常に道義的責任を感じて仕事をしています。

写真はある月日を経てのメッキの錆び発生状況。この違いはどこから来るの?!