中国製自転車製造での孤軍奮闘記録-9-中国での中国企業の日本人

中国企業の日本人-語学の壁。
なぜ中国企業に日本人がいると、それだけで日本側安心するのでしょうか。
それは一言で言うと、言葉が(意味が、気持ちが)通じるからです。
もう一つあるとすると、日本人が品質等を『見ている』というのもあるかもしれません。
日本人に話せば意味は一回で通じます、しかし現地の日本語の話せる業務担当通訳も
日本語を中国語に訳すことは、もちろん可能ですが、日本の心を訳すこと、見えない部分を訳すことは難しく、
訳を読んだ中国関係者に、事の重要性、緊張感を伝えることは非常に難しく、この問題で、
クレームが上がっている現場への緊張感は伝わらず、いつまでたっても、対岸の火事でしかない可能性もあります。
日本側、思っている以上に、言葉の壁は厚く、一般には、よほどの企業でない限り、日本での留学で経験等があり
日本語に堪能な従業員はいません。
それでもなお日本側、中国側に意味、意思が伝わっていると考えています。
私も意味は伝わっていると考えていますが、末端までとなると、これまた捉え方は変わってしまうのです。
日本側からのメール文を読んでも、私にも分からないことが非常に多いのです。
というのも、日本側の習慣で平気で主語を省略することが多いのです。
平気で普通の日本人と話している感覚でメールを送ってきます。
そして外来語、これを平気で使ってきます。
そして、これ、あれ、この間の、とかの表現、こちら担当者もいちいち聞き返しませんから
時により大きな問題に後で発展して行きます。
また最近はスカイプでのやり取りが多く、窓口担当者だけのやり取りになってしまう
場合も多いのでは?窓口担当者は実質的な担当者ではありませんから、メールでの連絡が、内容によっては適していると感じます。
双方のやり取りが後で確認しやすく、そして関係部署に転送しやすいからです。これは心がけるべきと思います。
日本側、スカイプでのやり取りが、手っ取り早い為に使用していますが、これは電話でのやり取リよりはましですが、中国側担当者
末端に翻訳して転送するのは厄介になります。
特に技術的、構造的な話を電話でするのは、もってのほかです。伝わらないのは日本側に全責任があります。
何よりも感じることは日本側、中国語も話せないのに、中国側、窓口担当者の日本語の能力を要求または批判してきます。
それならなおさら分かりやすい噛み砕いた日本文で、メールを送る、電話をすべきと考えます。
こうした日本側、そして中国側からの板ばさみにあい、多くの業務担当者は、その企業に長く居つくことは殆どなく
辞めていってしまい、いつまでたっても窓口業務の品質も、上がらないことになります。
中国企業の経営者も、どんどん人が入れ替わることに対して、危機感を感じない?ことも原因と考えます。
私もほんの少々中国語を理解できますが、双方の会話の中で、日本人同士のように100%理解して
紙に書くことが出来ません。
またいちいち分からない部分を、もう一度とか、何の意味?とか聞いていたら
会話になりません、ですからよほど重要な部分でない限りは、分かった振りをしてしまうことになります。
これは中国人側にも言えるはずです。
語学というのは難しいもので、言葉を伝えるのではなく、一緒にニュアンスを伝えると同時に、
相手側の見えない部分を理解して通訳することが重要で、このことは更に難しいことなのです。
ましてや自転車といえども、部品知識、工学知識が必要となり、これらの知識を有した通訳は、通常の小さな会社ではいないのでは。
私の中国語は中国滞在10年以上になるのですが、全く使い物にはならない状態ですが、会議ではあえて通訳はつけないことにしています。
というのも、通訳をつけると自転車知識、工学知識等の問題が含まれると、中国側通訳は、まともな通訳は出来ず、
其の都度会議は中断してしまうことになるからです。
其れよりも私の中国語の方が誤解を招かないのです。
しかし通訳を入れる場合もあります、其れは中国の批判及び中国人の批判にとられる可能性がある場合は、
前もってシュミレーションして正確に伝えてもらうようにしています。
なぜならば品質を守る上で、中国側に嫌われてもかまわないのですが、嫌われたなら、仕事が非常にしずらいからです。
というより、嫌われたなら仕事は出来ないのです。
進まないのです。中国側の面子を保つ事は重要な意味があります。
なんといっても中国は広大な国土で、方言ではなくとも、人によっては、普通語でも私には発音が聞き取れないのです。
いまだに現場の人と話をする場合は、分かった振りをしているが、実際には半分聞き取るのがやっとです。
中国語を更に分かりやすい中国語にしてもらって、やっと聞き取れる状態で、情けなく感じるのですが、やむをえないとあきらめています。
実際中国人同士でも、言葉が聞き取れないことが多いということを聞いています。ましてや外国人の私が完全に聞き取れるはずもないのです。
特に技術的、構造的な問題において、そして双方習慣的に使っている第三者には意味が分からない単語においては、
必ず写真を使って誤解を完全に防ぐ必要があります。
これを怠って文章だけでやり取りすると、必ず誤解が生じ、双方時間の無駄、金の無駄が発生します。
言葉だけで伝わっていると思ったら大きな間違え。
間違えた原因はあなたにあります、伝え方に問題があるからです。
そして外来語は避けて、もし使う場合は、場合によっては、括弧で内容説明すべきです。
そして状況説明、状態説明には特に注意が必要で、技術的、構造的知識の少ない中国側担当者においては、正確な通訳は出来ないと考えるべきです。
基本的に中国側窓口は、日本語がうまくないと理解してください。
色々な件に対しえの回答が来るはずですが基本的に日本的表現が出来ず、日本側、頭にくることも多いはずです。
双方の誤解が多いはずです。
頭に来る前に自分が中国語を話せないことを知るべきです。
自転車関係の中国語を訳すことは、ある程度、自転車を知っている人間は非常に楽なのですが、
しかし現地中国人で、日本語がある程度できても、自転車関係の日本語を翻訳することは
自転車を知らない、自転車製造を知らない、自転車部品を知らない人にとって困難なことです。
ほっておくと、とんでもない翻訳をしてしまいます。分からないから余計に辞書を引く、余計に分からない文章になってしまうのです。
特に中国には中国語名と英語名がある会社が多く、特に英語名をカタカナに直すから、更に中国側混乱してしまうようです。
殆どの日本側メーカー全く気を使わず、普通に自転車関係を知っている日本人に話すように会話をしてきます。
とんでもないことです。自分が中国をを話せないのであれば当然相手にわかりやすい日本語を話すべきです。
語学にも双方の思いやりが必要です。