中国自転車製造における孤軍奮闘記録(自転車車検制度)−1573−日本の自転車産業、失われた20年。

中国から自転車製造の話し

中国での自転車製造に携わって15年余り。
今中国では日本の物造りのノウハウを学ぼうと懸命です。
でもこれハイテク分野での話では。
物を作るうえで必要なのは何をおいてもまずは人。
人とは物造りに精通した技術を持った職人と言うことでは。
自転車と言えどもこの職人が必要なのです。
自転車はそれこそ何十年も前から今も同じ方法で生産されています。
フレーム溶接から部品の組み立てまで個人の技が必要なのです。
言い換えれば現在でも個人技で生産されているのです。
つまり大勢の職人が必要な産業なのです。
しかし、ここ中国では人の入れ替わりが激しく職人も育ちにくく、
そして、自転車工場というものほとんどが部品を買い集めて組み立てるだけの
工場なのです。そして、その部品は中小の工場から買い集めることも多いのです。
一流の工場でない限り、部品メーカーの品質維持管理の専門部署は存在しません。
部品メーカー側もコストのため品質維持管理の間接部門も置いていないところも多いの
です。ですから生産された自転車の品質が安定しない問題が現在も付きまとっているの
です。そして自転車に組み立る問題、自転車工場ではこうした職人がいて初めて入れ
替わりの激しい中国での人材に対しても正確な技術技能が伝達できると言うもの。
現在は日本には自転車工場は特殊な自転車を除いて生産はなく、ほとんどが海外(中国)。
ですから日本にはもう現在は職人はいない状態です。
つまりこれだけ多くの自転車を輸入しておきながら現在は自転車生産ノウハウは
失われたに等しいのです。
そして、これからも中国に『職人』を育てる、また『職人』を要求しても無理と言うもの。
こうした中、日本に大量の自転車が輸入されているのです。
こうした状況下で販売を中心とした日本の自転車産業が進むべき道は限られてきます。

皆さんの力を借りて今後の自転車産業
にも光りを当ててほしいために書いています。
現在の販売を中心にした日本の自転車産業、そしていやっているのか、やっていないのか
分からないような街の自転車屋さん。
自転車では有りますが日本の自転車産業の活性化、街の自転車屋さんの
活性化(街の活性化)、そしてこれからも変化は生まれないであろう海外製自転車の
品質問題。海外製自転車がもたらす消費者の安心安全の問題。
そして春秋の交通安全週間に報道されることは自転車の乗員のマナーだけ?!
ぜひとも今後の自転車産業の発展のために自転車の維持管理に関する報道も期待
したいところです。
自転車を安全に乗ってもらうには、使用環境の整備、乗員のマナー、
そして自転車本体の維持管理。この3つが揃ってより安全な使用環境が整うはず。
現在では自転車本体の維持管理にはほとんど関心がない?
と感じるのが自転車の仕事について40年以上の私の悩みです。