中国自転車製造における孤軍奮闘記録−74−物造りで技術そして品質面の仕事に携わる者の最も重要なこと

物造りで、技術そして品質面の仕事に携わる者の、最も重要なこと。
それはもちろん人によって違うでしょうが、私は、受け取った情報に左右されず、鵜呑みにせず、自分で問題を再確認、及び分析することだと思っています。
というのも、自転車の品質的な問題情報は、消費者つまリ、多くの場合素人、あるいは素人に近い状態の人から発信された情報です。
そして問題発生に使われる言葉(単語)は、必ずしも状態を正確に表現してはいないのです。これ当たり前と考えるべきでしょう。
技術者として品質問題担当者として、正確に問題認識することは当たり前で、つまり自分で更に問題認識することは当たり前で、
正確に原因を分析できなければ、正確な対策が取れないことになります。
また消費者からは、壊れた部品だけが送られてくることも多いのでは。
まずはその部品の原因を探すべきですが、その過程で疑問が生じれば、それ以上の原因分析は意味が薄れます。
ですから自転車の問題発生に対しては、自転車ごと、つまり問題発生した時点での状態のものを、送ってもらう必要があるのです。
少しでもいじられたものは、場合によっては原因究明に決定的な障害ももたらします。
つまり極端な話ではないのですが、この分野の仕事に携わる人は、自分しか信用すべきでないと考えます。
情報に左右されず、公平に判断することが求められます。
そして、その殆どの問題分析、問題処理は現場を知ることが基本で、現場を知らない、現場に出ない人で、この仕事に携わることは、
自分で自分の仕事ができないことを意味します。