中国製自転車製造での孤軍奮闘記録-5-中国では自転車は造れない?

今回はちょっと衝撃的な題名です。中国では自転車は造れない?です。
私の経験から極端な話でも何でもありません。
中国では危なすぎて自転車は造れないと感じています。
それでも造らねばならない!どうするか?。
(当然ここで他の対策を講ずる必要性が出てくるのです、
それを実行に移す必要があるのです。)。物づくりにおいては生産品に対して、
100%保証することなど、保証できることなど全くありえないことです。
実際其の通りでしょう。しかし日本で問題発生すれば、
『欠陥だ!リコールだ!消費者センターに持って行く!』と言われた経験は、
どこの自転車製造販売メーカーでもあるはずです。
殆どの場合は勝手に持って行け!、と自信を持って言えるのですが、
中には???というのもあるはずです。自転車は人の命を乗せて走っていますから、
消費者としては当たり前のこととなります。
生産品質が不安定で不良率が上げれば上がるほど、市場でのクレーム確率は上がって行きます。
これ当然のことです。しかし日本の企業、中国側にOEM生産させていて、品質関係の駐在員を置いている企業は少ないのでは。
つまり現地にまかっせっきりなのでは!。この状態では問題発見能力に問題がある中国においては、
いつ問題が発生しても不思議ではない状態に置かれているはずです。
しかし現在の日本側、フレーム溶接、塗装前処理、塗装、組み立て、そして部品知識までを、ある程度経験した人材は、非常に少なくなっていると感じています。
実際其のはずです。
中国での自転車生産において、ある分野の問題を発見することは、ある程度の知識、経験があれば可能です。
それ以上に問題発生を予見しての対策をとるとなると、また別です。
しかしこの問題発生予見をしていくには、ありとあらゆる知識がないと正確には予見できないことになり、ただ心配だ、
心配だでは生産などできるはずはなく、コスト面に響くことは避けられません。そしてそれなりの説得力のある内容でないと、
予見問題を相手側に理解させ、改善実行に移すことなど出来ないはずです。
つまり経験からの過去発生を相手に見せ付ける必要性が生まれてきます。
生産には常に緊張感が必要になるわけですが、この緊張感問題、工場幹部にも感じられないことが多いために、
当然末端は緊張感を感じて仕事などしていないことも多いのです。
そして実際にあった話として、部品メーカーから聞いた話ですが、作業者、会社側に不満があり、辞める間際に故意に不良品を発生させたということも聞きました。
こうなると、全く防ぎようもないことになります。
実際に今日の品質から明日の品質を占うことなど出来ません。
明日は明日で常に作業者を疑って、品質を疑っていくことが駐在者の使命となるのです。
常に信用しないわけには行きませんが、信用することは許されないのです。
ですから作業者との信頼関係を構築して行くことは、品質確保の重要な条件をなります。
つまり自転車生産の苦楽を共にする覚悟が、長期的に必要になるのです。
いくら良い方法でも、其の現場に合わなければ何の意味も成しません
。他の工場で導入され、効果を発揮している管理方法でも、それを真似できる技量、そして環境がなければ、絵に描いた餅になってしまいます。
つまり多くの場合『西薬』(西洋の薬)も『中薬も』(漢方の薬)も効かないのです。
このことを織り込んで品質確保に当たる必要があり、このことは駐在している人間にしか分からず、日本側に理解してもらうことなど考えたら、
やっていられないことです。
つまり信念を持って仕事をすることです。
中国駐在者、特に自転車においては嫌な商売ですね。
品質は良くて当たり前、悪くてボロクソ!私などほめられたことなど一度もありません。
つまり中国を変えられたらほめられるかも!?。
そしてここで話さなければならないことは、こちらでも部品メーカー、部品を造るに当たって、試験して、
そして試験成績書もあるのですが、試験成績書は現在生産されている全ての同じ型式の製品を代表するものではないということです。
これ当然のことです。
ここに『以前と同じ』という落とし穴があるのです。製品品質は生ものですから、常に品質を確認して出荷が必要になるのです。
こうした油断が中国側には多いと感じています。
常に品質に注意して、状態の変化を感じ取ることが、品質安定確保につながります。
以前と全く同じであれば問題など起きないのです。
以前と違うから問題が発生することに気づくべきで、工場側に気づかせることが重要な鍵となります。
其のほか自転車には盲点が存在します。一つのミスが人の命を奪う結果になります。
ここまで書いて!と言われるかもしれませんが、これ以上は書けません。
書ける日が来るかもしれませんが、今は書けません。ごめんなさい。
添付の写真は宴会の残り物を持って帰って、冷蔵庫に入れ、翌日見たらご覧の通り。
動物性の油でしょう。見えますか!?。
中国に駐在されている方、自分はまだ若い!と思ったら大きな間違え、特に中国の『油』には要注意です。
気が付いたら身体を壊していたなどと言うことのないように!確かに伝えましたよ!