中国自転車製造における孤軍奮闘記録−463−管理記録

私の以前に駐在した世界一流の自転車製造メーカーと称される企業では、実に鋼管の切断から、フレーム生産、塗装前処理、
塗装、組み立て、そして出荷までの各工程での検査記録をつける箇所は、実に100箇所近くにも及ぶのです。
こうして人の入れ替わりが激しい中国での品質確保、製造ノウハウの確保を維持しているのです。
いくら良い方法とは言え、この方法をどの自転車製造工場にも受け入れさせることは到底不可能なことです。
これを真似しろといっても無理なことで、実際に系列会社にも導入しようとしたようですが、真似をするだけの
技量が無かったようで、看板だけが残っていました。真似は簡単なようで非常に難しいのです。
そしてコストにも関係してきます。
ですから真似をさせるには慎重な配慮が必要になるのです。
真似を長続きさせられれば大したものということがいえます。
あなたのいる中国の自転車工場、こうした各工程での検査記録は何箇所ですか?
しかし検査箇所が多いからといって、安定した品物ができるわけではないのです。
世界一流の自転車企業とはいえ、唖然とするような商品が生産されていて、それが見過ごされている実態があるのです。
やはり最後は自転車知識と問題発見能力が有るかないかにかかって来るのです。